釣果速報

地獄からの生還、奇跡の真鯛に迫る

2022.08.06 釣果速報

5日(金)は滋賀県在住の釣り仲間ファミリーのガイドで出船してきました
この日は明陽丸、親父の操船で緩い潮なのでちょっと厳しかったですが
キッズたちに釣ってほしかったのと、
一年半前に脳梗塞で突然倒れた釣り仲間になんとしても真鯛を釣ってほしかったので
気合入れました

1年半前に友人が作ったタイラバヘッド
手先が器用で何をやらせてもパーフェクトにこなすアングラー

1年半前の今頃、ファミリーで明陽丸チャーターで出船予定でしたが…
その前日に突然奥さんの愛ちゃんが号泣しながら電話が…

『泊さん、大変なことになりました…行けなくなりました涙』

理由を尋ねると

『朝起きたらフラフラして自分の名前も言えないんです!急いで救急車呼んで
集中治療室にいます!』

これを聞いたときは正直、あの元気な男がそんなはずはない、これは夢じゃないのか
自分の耳を疑いました…

それから危険な状態が数週間続き、何とか一命を取り留めました
これは奥さんの初期対応が迅速で無駄が無く、それが幸いして命が助かった、というものでした

彼とはもう20年以上の付き合いでバス釣り、渓流釣り、ジギング、タイラバなど
本当に色んな釣りをしました

特に2年前ぐらいに岐阜県の渓流ネイティブイワナ狙いでお邪魔したとき

『美味しいイワナ料理出すお店があるんです!泊さんにぜひ食べて欲しいので行きましょう!』

と釣りの帰りに言われました

樫本に連れて行ってもらったクマ出没注意のとある渓流
『クマ出てきたらどうすんのよ!』と言ったら
『棒でシバキましょう!』・・・・。
その時の写真です

話を戻してイワナ料理の続き

『俺、海人やし釣りは好きやけど淡水魚喰わないんやわ、というか無理!笑』

と言ったのに強引に連れていかれ(笑)出されたイワナの造里を恐る恐る食べてみると…

『樫本なんやコレ!ホンマにイワナか??』って何回も聞き返したぐらいの衝撃
特に骨切りされた唐揚げは超絶美味で樫本の分も食べてしまうぐらい笑

『この子ら、冷魚って呼ばれてるの知ってるでしょ?地球温暖化で死滅するか心配なんです…』

常に釣りの対象魚を思いやる優しさに料理以上に感動したのを憶えています

そんなヤツが生死の境を彷徨う病魔に侵され倒れた、と

彼は自分で会社もやってましたし子供は3人、これはどうなるのか、と

一命を取り留めた彼はロクに会話もおぼつかず、記憶も忘れてる部分が多く
家族や仕事のある程度の事、それになぜか、僕と釣りに行った時期やどんな魚が釣れてどんなルアーで、
どれぐらいのサイズだったか、僕がどんなルアーで釣ってたか、などは鮮明に憶えていました

それから彼は奥さんや周りの助け、当然、本人の努力が一番ですが
地獄の様なリハビリを繰り返し、乗れなかった車を教習所に通い再認定、
何とか体が以前ほどではないもののほぼ復活しました

釣りに関してはまず近所の川で手長エビやザリガニ釣りから始めたそうです

本当は一年半前に見なければいけなかった光景
何とも不思議な感じで心が震えました

まだまだ手先がおぼつかないのでロッドガイドにラインを通してあげて補助、
病気前は一瞬で終わらす結びや細かい作業など、僕より速かったのに…
当然、それには親父も操舵室から遠目で見て気付いていました
なかなか人を褒めない親父も認める釣りうまアングラーだっただけに
聞いてはいませんが思うところはあったと思います

そしていざ釣り開始!

まず手始めに…

ワニゴチがヒット、潮が小さいのでこの日は覚悟してましたがやはり来ました笑
そしてちょっとエリアを変えると

樫本にハマチがヒット、ただ青物はやれば釣れすぎるぐらい簡単に喰って来ます
そして

青物は子供でも釣れますがただパニック!笑
巻き過ぎて高級ロッドの桜幻タイラバーXが折れるというハプニング…汗
こりゃヤバいな、と思いましたがファミリーで大爆笑!!
僕が心配するよりずっと前に既にこの家族は壁を乗り越えてたんですね(涙)
それを見てもらい泣きしそうになるのをぐっと堪えました

それにしても鯛が喰わない…
狙いはあくまで鳴門の真鯛、これが目標だったので船長も走り回ります

がんばれど喰ってくるのはガッシーやワニゴチ…
そして旦那のサポートをがんばった愛ちゃんに海神さまが応えてくれました

ちゃいち~るな真鯛!笑
いえいえ、立派な鯛ですよ!

そして諦めかけてたラストの流しでついにその瞬間が訪れます

一年半前の約束を果たした樫本
もう感動で涙腺崩壊寸前・・・・涙

『やったな!約束果たしたよ旦那!やべーわ、泣きそう><』と愛ちゃんに話しかけると

『ずる~~い!!なんで私より大きいの釣るの~!!』(闘志むき出し)

は、はいっ????

バトってたんかーーーいっ!!爆笑

僕はほぼほぼキッズたちのサポートでネットランディングや全員分のフック外し
たまーに操船でしたので集中して釣りはできませんでしたが

しれっとお土産釣っときました笑

本当に感動したプライベート釣行でした

帰港して親父が魚をシメるのをまじまじと見つめるキッズたち…
自分たちが釣った魚が血の海(青い入れ物笑)に沈んでいく恐怖感…笑
少々衝撃的だったみたいですが夏休みの自由課題でこれにする!と言ってました
明陽丸の船長が魚たちを次々と虐殺していきました!とか書かないでね!笑

約一年半前に意識不明の重体、生死の狭間を彷徨い自分の名前も言えなかった男が
こうして遥々滋賀県から3時間かけ家族を乗せて、しかも自らの運転で会いに来てくれる

残りの人生でこんな奇跡はもう起きないのかも知れない